ロボ貯をおすすめしない理由
現在CMでの露出が高まっているロボ貯。結論から先にお伝えしますとタイトルのとおりおすすめしません。以下にその理由を紹介していきたいと思います。
そもそもロボ貯とは？
ロボ貯とは、株式会社ワンタップバイというフィンテックスタートアップ会社の提供するサービスです。2013年の設立なので比較的若い会社ですが、ソフトバンクやみずほ銀行などが出資するそれなりに信頼できる会社です。
経営方針としては、使いやすいシステム・サービスや低額から投資が可能なサービスなどの提供を軸に、投資の敷居を下げることにより一般へ投資を普及させたいという方向性が見て取れます。この部分は、個人的には大いに賛同できます。
ロボ貯のサービス内容について
ロボ貯は定期分配・配当サービスと言って、積み立てた資金で株式を購入し、その株式から得られる分配金や配当金を受け取れるサービスです。「高分配・高配当コース」と「積み株コース」が用意され、特に推しているであろう高分配・高配当コースのラインナップを見てみると高分配・高配当を謳っているだけあり、ARCCなどハイリスクハイリターンなETF(上場投資信託)が並んでいます。
また、投資先や積み立てる金額を設定した上で、自動で購入・売却をしてくれるようで手軽に投資できるシステムになっています。
運用のメリット
毎月もしくは３か月に一度分配金や配当金を受け取れる
運用成績にもよりますが、定期的に利益が得られる仕組みになっています。
自動で購入・売却ができる
設定したタイミングで自動で購入・売却が可能なので、積み立てるタイミングを逃したりすることがありませんし、購入などの手間が省けます。また資金は銀行口座を指定すれば自動で引き落としてくれます。
スマートフォンから簡単に操作可能
資金状況やつみたての設定など手軽にアクセス可能です。また、カスタマーサービスも力を入れているようで扱いやすそうです。
運用のデメリット
自分で投資先銘柄を選択する必要がある
どちらかというと投資初心者向けのサービスだと思うのですが、その初心者に投資先銘柄を選択させるのは個人的には違和感を感じてしまいます。
高配当・高分配コースでは複利効果が発生しない
毎月分配をすると資金を取り崩すかたちになるため、積み立て投資タイプであるにも関わらず複利効果を狙えないのも気になる点です。ただし、そもそも長期での運用を考えていなければデメリットにはならないかもしれません。積み立て投資をやる以上は長期の視点が必要だとは思いますが・・・。
※複利効果については下記の記事の「資産を増やす」の項目にて説明しています。
最低投資金額が高い
積み株コースなら月1,000円からGAFAなど有名企業に投資可能ですが、高分配・高配当コースだと毎月最低３万円からの投資になります。
元本の保証がない
投資である以上は当たり前ですが、元本割れのリスクは必ずついて回ります。
NISAが利用できない
米国株の場合アメリカで税金がかけられ、更に日本でも約２０％の税金がかけられることになります。NISAが利用できないのは痛いです。
問題点
ネーミングについて
まず「つみたてロボ貯蓄(ロボ貯)」というネーミングについてです。ロボという名前がついていますが、ウェルスナビなどに代表されるように、個人のリスク許容度に応じて購入資産を選択してくれるわけでもなければ、定期的にリバランスしてくれるわけでもありません。これではただの積み立て投資と言わざるを得ません。
また、「貯畜」という文字を使っていますが、貯蓄ではありません。投資した元本が保証されるかのような印象を与えかねないと私は思います。
CMについて
泉谷しげるさんと東ちずるさんが出演するCMにも上記と同様の問題点があると言わざるを得ません。
「何よりCMとして不快。」、「露骨に老人をはめ込もうとしている。」との意見もあるようです。
サービスに誤解が生じやすい
バランスが難しいところではありますが、わかりやすさを重視するあまり誤解を生じやすい内容になっているように感じます。
例えば、投資銘柄によって利率を表示していますが、これは当然確定した数値ではなく、過去の値動きを基に算出されたものでしかありません。しかし、このサービスを利用する層がそれを理解して購入しているかは若干疑問が残ります。
また、初心者向けのサービスに見えますが、デメリットでまとめたとおり、サービスの中身はそうなっていません。この部分のギャップも無視できない点です。
まとめ
基本的にワンタップバイの経営方針には賛同するところが多く、個人的には頑張ってほしいとすら思っていますが、今回のサービスはちょっといただけない所が多いです。
このようなサービスは長続きしないでしょうが、ワンタップバイや投資に悪い印象を与えて終わるようなことがなければいいと思います。
もしロボ貯を利用される方は、よくよく内容を検討することをおすすめします。
