ふるさと納税と住所変更(引越し)
ふるさと納税は住所のある市区町村の住民税を安くする制度でもあります。では、ふるさと納税の前後に引っ越しをした場合にはどうなるのでしょうか?注意点なども含め、解説していきたいと思います。
どの市区町村から住民税が課税されるか?
住民税は1月1日に住んでいた市区町村で丸々1年分課税されることになっています。ちなみに、課税額は前年の1月1日から12月31日の所得や寄附金などの控除額によって算出されます。
言い換えると、寄附した年の翌年の1月1日に住んでいた市区町村にて住民税が課税され、その住民税が寄附額に応じて減額されるということです。
ふるさと納税と引越しした場合の手続きについて
では、引越しがあった場合はどうなるでしょうか?2つのパターンに分けて見ていきましょう。
引越し後にふるさと納税をした場合
ふるさと納税の手続きは引越し後の住所で行うことになり、そのままいけば新しい住所で課税され、返礼品も新しい住所に届くので特に問題はありません。
ふるさと納税後に引越しした場合
ちょっと面倒なのはこのパターンです。返礼品と寄附金控除の取り扱いがそれぞれどのようになるか確認していきましょう。
・返礼品について
返礼品は、放っておくと引越し目の住所に届いてしまいます。早急に寄附先の市区町村に連絡し、住所変更について確認を取りましょう。また、念のために郵便局や宅配便についても転送サービスの申し込みをしておけば万全でしょう。
・寄附金控除について
確定申告する場合は、申告書に1月1日の住所を記入する欄がありますので、忘れずに記入しましょう。あとは寄附金受領証明書(前住所記載のものでOK)を申告書と一緒に提出すれば大丈夫です。
次にワンストップ特例を利用する場合についてです。
ワンストップ特例を申し込んだ場合、寄附先の市区町村は古い住所の市区町村にて課税されると認識し書類を送付することになってしまいます。この場合には寄附金控除が受けられなくなる可能性が高まりますので、必ず転居の連絡をする必要があります。
具体的には申請事項変更届出書という書類を寄附先に提出することになります。寄附した年の翌年、1月10日が期限となりますので忘れずに手続きをしましょう。
その他の注意事項
同じ市区町村内で転居した場合
同じ市区町村内で転居した場合にも他市区町村へ転居した場合と同様の手続きが必要です。ただし、寄附金控除については手続きを忘れても市区町村の職員の裁量によって適用してくれる可能性は高いかもしれません。
住民登録外課税の場合
住民税は1月1日に住んでいた市区町村で課税されるとお話ししましたが、通常、役所はあなたがどこに住んでいるのかという判断を住民登録(住民票の有無)で確認します。
しかし、転勤や短期の滞在で住民票を動かしていない場合などで住民票とは別の住所に住んでいると分かった場合には住民登録の無い住所で課税するケースがあり、これを「住民登録外課税」と呼びます。
住民登録外課税は、原則的に住民登録で課税するところを住民登録によらずに特別に課税するので、重複課税や課税漏れが発生しやすくなる傾向があります。
このことはふるさと納税の寄附金控除を適用する際にも同じことが言えますので、可能であればちゃんと住民票を移すことをおすすめします。
特別な事情があって住民票がうごかせない場合には、ふるさと納税の適用状況を自治体に直接確認するなど課税される側も注意が必要です。
また、返礼品に関しては、送付先をはじめから実家などに設定する人もいるようです。住所地が定まらない人は検討してみても良いかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
基本的には、ふるさと納税は引越しを済ませてからするのが手間が少なくおすすめです。それでも引越し前に寄附する必要があった場合には必ず手続きを取った上で、翌年度課税される内容を確認するようにしましょう。