メリットとデメリットを解説します!iDeCo(イデコ)について
政府が優遇する自分年金づくり、iDeCo(イデコ)について説明していきます。
iDeCo(イデコ)とは
確定拠出年金法という法律にのっとり運用される私的な年金の制度です。あなたが掛け金を支払い、運用方法を選択し、60歳になった時に掛け金と運用によって発生した利益を受け取る流れになります。
なお、掛け金の支払いや需給の際には税制上の優遇措置(控除)があることも特徴の一つです。
特徴
掛け金について
年間14万4,000円~81万6,000円の範囲で投資することが可能です。上限額は加入者の職業などにより設定されていますので、自分は限度額がいくらなのか確認してみましょう。
iDeCo公式サイトより
運用について
支払った掛金を選択した金融商品に投資します。選択は自分で行いますが、投資の知識が少ない方は、目的や志向によって配分バランスをあらかじめ設定した商品もありますので、そういった商品に投資するのをおすすめします。
以下に主な投資対象をあげます。基本は投資信託と同じですが、参考までにどうぞ。
・株式
日本、先進国、新興国などに分類された株式市場に投資します。値動きが激しいのでハイリスクハイリターンと言えます。
・REIT(リート)
不動産に投資し、家賃や賃料などを利益とするため、ミドルリスクミドルリターンです。
・債券
国内、国外の債券に投資します。お金を貸した利子が利益になるので、利益は安定的ですが大きな利益は望めません。
・金(ゴールド)
金に投資します。不況や政情不安になっても価値が安定していることが強みです。
・定期預金
銀行にお金を預けるイメージです。元本(掛金)が保証されています。
基本的には下に行くほど安全性が高く、利益が小さくなります。
他には上記の商品を複数組み合わせたパッケージ商品もあります。リスク許容度によってバランスを考えてみるのも良いでしょう。
受け取り方法について
受け取りの方法としては主に以下の3種類があります。ただし、一時金や公的年金の所得の計算方法は20年後や30年後には改正されている可能性もありますので、参考程度に考えておくことをおすすめします。
・一時金として受け取る
一時金として受け取る場合、確定申告など所得税の計算上は退職所得として計算されます。この場合、下記の式によって受け取った金額(収入)を退職所得に直す計算が必要になります。
退職所得=(収入金額-退職所得控除額※)×1/2
※退職所得控除額の計算は以下のとおりです。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円×勤続年数(ただし最低80万円) |
20年超 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
・公的年金として受け取る
公的年金として複数の年数で継続的に受け取る場合には、年金機構などからの年金収入と合算して下の式で計算することになります。※公的年金の控除額として70万円と設定されています。
公的年金収入 | 公的年金に基づく雑所得 |
70万円以下 | 0円 |
70万円~130万円 | 収入-70万円 |
130万円~410万円 | 収入×0.75-.37.5万円 |
410万円~770万円 | 収入×0.85-78.5万円 |
770万円以上 | 収入×0.95-155.5万円 |
※ただし、上の式は65歳以下の方の式になります。65歳以上は別の式がありますが、簡単にいうと65歳以上の場合、控除額が120万円に上がります。
・一時金と公的年金に分けて受け取る
受け取りの方法を上記の二つにそれぞれ分けて受け取れる金融機関もあります。その場合は受け取る金額ごとに上記の計算式に当てはめて計算します。
※ちなみに収入と所得の計算については以下の記事にもまとめさせてもらいましたので、違いなどがわからない人はどうぞ。
iDeCo(イデコ)のメリット
運用益が非課税
株式や債券などに投資し運用しますが、お金が増えた(利益を得た)時点では課税されません。あくまで60歳になって受け取ったタイミングで課税計算を行います。
掛金が全額控除対象になる
iDeCo(イデコ)は節税としても機能します。iDeCo(イデコ)の掛金は社会保険料控除として控除の対象になるんです。全額控除と言われると、例えば年間81万円支払ったら81万円税金が安くなるというようなイメージをする人もいますが、実際減額される税金は税率をかけた後になります。
具体的には所得税を10%(所得額などにより像電)、住民税を10%(固定)とすると、合計16万2,000円減額される計算になります。
受け取るときにも控除が受けられる
上の「受け取り方法について」の項目で触れたように、受け取り方法によって控除が受けられます。
少額から始められる
月々5,000円から始められるのも魅力の一つです。最初は少額で試してみるのも良いでしょう。
運用商品を選択できる
投資対象を自分で自由に選択できます。したがって、投資対象のバランスは自分の希望に合わせて細かく設定できます。
iDeCo(イデコ)のデメリット
60歳にならないと引き出せない
原則60歳になる前に受け取ることはできません。
なお、本人が60歳になる前に死亡した時には遺族が一時金として受け取るかたちになります。なお、この場合は相続税の対象となります。
受け取るときには課税対象になる
運用益が非課税になる代わりに、受け取るときには所得として課税されます。詳しくは上の「受け取り方法について」を確認してみましょう。
投資対象を選択する必要がある
投資の対象を自分で選べるのはメリットでもありますが、金融商品に関する知識がない場合は選択が難しい場合があると思います。
そういった場合には複数の商品がパッケージされた商品を選ぶことをおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
iDeCo(イデコ)は原則(死亡しない限り)60歳まで受け取れないなどデメリットもある制度になっていますが、老後に2,000万円不足する問題など政府は自分で積み立てることを推奨しています。
老後に困らないよう、資産運用のあり方を検討してみるのはいかがでしょうか?