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【年末調整・確定申告】生命保険料控除の観点からベストな生命保険料を計算してみた!

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支払金額に応じて所得税や住民税の控除を受けられる生命保険料ですが、社会保険料控除のように必ずしも支払った金額がそのまますべて生命保険料控除額になるわけではなく、定められた計算式に基づいて控除金額が目減りする場合があります。

また、控除の上限額も設定されているので、生命保険料の支払いがいくら多額だったとしても、ある一定の金額以上は控除額が増えない仕組みになっています。

今回は、そんな生命保険料控除を効率よく受けられる、コスパの良い生命保険料の支払金額についてまとめてみました。

※出来れば自分の契約している保険会社から毎年10~11月ごろに送られてくる生命保険料控除証明書を手元に用意して読んでいただくことをオススメします。

 

※細かい計算方法とかはいいから早く答えを知りたいという方は「コスパの良い支払金額について」まで飛んでみてください。

 

そもそも生命保険料控除とは

生命保険料控除とは、保険料の支払い金額の分だけ税金を安くしてくれる制度です。

会社にお勤めの方は通常、年末調整にて計算・申告することが多いと思います。それ以外では確定申告でも申告できます。

生命保険料の種類

生命保険料は控除額の計算上、5つの種別に分類されます。

生命保険料・個人年金保険料・介護保険料です。

3つじゃん。

と思ったそこのあなた。はい、説明が回りくどくてすみません。この3つの種類のうち、生命保険料と個人年金保険料は契約した時期によって、旧と新にそれぞれ更に分かれます。

よって、旧生命保険料・新生命保険料・旧個人年金保険料・新個人年金保険料・介護保険料となります。

ちなみに平成23(2011)年12月31日以前に契約したものは「旧」、平成24(2012)年1月1日以降に契約したものは「新」となります。

 

生命保険料控除の計算方法

生命保険料控除の計算は、上記の5つの種類ごとにそれぞれ金額を分けて計算し、最後に合計したものが控除額となる仕組みになっています。まずは個別に計算式を見ていきましょう。

旧生命保険料・旧個人年金保険料の場合

支払った保険料 控除額の計算式
~25,000円 なし
(支払った金額=控除額)
25,001円~50,000円 支払った金額×0.5+12,500円
50,001円~ 支払った金額×0.25+25,000円

なお、控除額の上限は5万円となります。

新生命保険料・新個人年金保険料・介護医療保険料の場合

支払った保険料 控除額の計算式
~20,000円 なし
(支払った金額=控除額)
20,001円~40,000円 支払った金額×0.5+10,000円
40,001円~ 支払った金額×0.25+20,000円

なお、控除額の上限は4万円となります。

控除の上限額について

上記のように旧生命保険料・旧個人年金保険料は上限額が5万円、新生命保険料・新個人年金保険料・介護医療保険料の場合は4万円と上限額が定められています。

また、旧生命保険料と新生命保険料(または、旧個人年金保険料と新個人年金保険料)の両方支払いがある場合、両方の生命保険料控除額を合計した際の金額の上限も4万円と定められています。

ただし、旧生命保険料のみで4万円以上の控除額が算出される場合に限り、上限額は5万円となります。この場合は、旧生命保険料の控除額のみを適用し、新生命保険料の支払い分は算入しないこととなります。

原則的に旧生命保険料と新生命保険料、旧個人年金保険料と新個人年金保険料は1セットです。旧と新を合算した上限金額は4万円までとされていますが、旧だけで計算したほうが(上限金額が5万円なので)有利となる場合は、合算せず旧のみで計算できるということです。

計算例

それでは計算の具体例を見ていきましょう。

生命保険の支払額が以下の金額だったと仮定します。

A社

・旧生命保険 10万円

・旧個人年金 3万円

B社

・新生命保険 5万円

・新個人年金 1万円

・介護医療保険 7万円

 

それぞれ計算式に当てはめて控除額を算出してみましょう。

・旧生命保険

 10万円×0.25+25,000円=5万円

・旧個人年金

 3万円×0.5+12,500円=2万7,500円

・新生命保険

 5万円×0.25+20,000円=3万2,500円

・新個人年金

 1万円=1万円(計算式なし)

・介護医療保険

 7万円×0.25+20,000円=3万7,500円

 

ついてこれてますでしょうか?次に種類ごとに合算します。

 

旧生命保険(5万円)と新生命保険(3万2,500円)の合計は8万2,500円になりますが、合算時の上限額は4万円なので合わせて計算すると控除額は4万円に下がってしまいます。この場合は旧生命保険(5万円)のみ適用したほうが控除額が高くなるので旧のみの5万円を適用し、新生命保険は計算に入れず無視します。

旧個人年金(2万7,500円)と新個人年金(1万円)の合計は3万7,500円になります。

次の介護医療保険はそのまま3万7,500円ですね。

 

総合計を出してみましょう。

生命保険(5万円)+個人年金(3万7,500円)+介護医療保険(3万7,500円)=12万5,000円

はい、やっと出てきた12万5,000円という控除額ですが、生命保険料控除(総合計)の上限額は12万円と定められています。

したがってこの場合は生命保険料控除額は12万円と申告することになります。

最後までややこしや。

 

コスパの良い支払金額について

で、計算方法はなんとなくわかったけど、実際いくらなら控除額とのコスパが良くなるの?

やっと本題です。上記のように種類ごとに計算し上限額などが個別&合計で定められているので、ひとくちで「年間○○円です!」と言えないところではありますが、おおざっぱに言うなれば、年間の支払金額は、

旧生命保険や旧個人年金はそれぞれ2万5,000円まで!

新生命保険や新個人年金保険、介護医療保険はそれぞれ2万円まで!

とおぼえておいていいでしょう。理由は、この金額までは全額が生命保険料控除額になるからです。

なお、種類ごとに合計した際に4万円の上限額や、総合計が生命保険料控除上限の12万円にかからないようにするとベストです。

逆にコスパが悪くなる支払金額について

例えば旧生命保険や旧個人年金の控除上限は5万円ですが、計算式を使って逆算すると、それぞれ10万円以上はいくら支払額が多くなっても控除額は5万円で頭打ちで、全く増えていきません。

同様に、新生命保険・新個人年金・介護医療はそれぞれ8万円以上は上限額に引っかかってしまうので、(控除額の計算上は)支払金額がいくら増えても無意味です。

控除額のコスパ面が気になる方は注意してみましょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、あくまで生命保険料控除の計算方式の観点からコスパの良い支払金額について考えてみたものになります。

本来は、保険として必要だと判断して契約し、保険料を支払っているはずです。つまり、控除を受けるために保険に入っている人は少ないかと思います。

今回の記事は、あくまで保険料の支払い額の参考にしていただければ幸いです。

また、控除を受けられないほど多額の生命保険料を支払っている人は以下の記事を参考に契約内容を見直してみるのも良いでしょう。

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